福岡高等裁判所宮崎支部 昭和25年(う)96号 判決
しかしながら、昭和二四年四月三〇日法律第四三号による改正前の物品税法第四条によれば、所論の被告人の製造した紙に対する物品税は、製造場から移出せられた物品の価格または数量に応じ、製造者からこれを徴収するとの規定、また、同法第二五条の自己またはその家族の用にのみ供する紙を製造する者には、その紙につき本法を適用しない旨の規定を照らし合せて考量すれば、所論紙に対する物品税は、販売のため製造場から移出せられた場合にのみ課するものではなく、前叙第二五条の規定の適用ある場合の外は、少くとも製造場から移出せられた以上、販売のため、または贈与のため移出せられたすべての場合の数量に応じ、課税さるべきものと解するのが相当と思料されるのである。けだし、かように差異を設けないで課税しない限り、製造者においては、応応にして、名を贈与にかりて脱税をはかるものがないともいえないし、延いては、課税の技術乃至徴税の目的に困難をきたすおそれがないとも限らないと解せられるからである。さすれば原判示被告人の製造場から移出せられた紙の数量のうち、販売の目的で移出せられた紙の外に、所論のように、他人に見舞品として贈つた紙が相当量含まつていたとしても、前説示するところにより、その紙も課税の対象となるものといわざるを得ない。
(註。本件は法令の適用の誤りにより破棄差戻)